謹賀新年
まあ、齢を重ねてくると、新年といっても、これといった新しい感慨はたいして湧いてこない。とはいえ、こと本協議会に限っていえば、今年2025年は、母体となった任意団体IVS技術促進協議会の設立から15年という特別な年になる。先のブログにも書いたけれど、IVS技術促進協議会の設立総会が開催されたのは、2010年12月6日。1年近く先のことにはなるけれど、事務局長の田丸さんを中心に、記念イベントの計画が動き始めている。
協議会が設立された2010年は、ぼくの個人史的にも、わりと際だった年なのだけれど、日本の文字情報技術史全体を見ても、なんというか、箱根駅伝の折り返し点といったところに位置している。
協議会副会長の村田真が日本人としては唯一、グローバルなゼロックスグループの代表として、W3Cのワーキンググループの一員として策定に主体的に係わったXMLの勧告が出されたのが、1998年2月。
協議会の主要メンバーでもあるマイクロソフトとアドビが手を結んで、デジタルフォントのデファクトスタンダードとなっているオープンタイプの最初の版を発表したのが1997年4月。
そして、ぼくの個人史の中でも重要な位置をしめるUCSの第1版の発行が1993年5月。ちなみに、ぼく自身が、当時ジャストシステム専務だった浮川初子さんに、いわば背中を蹴っ飛ばされて参加した最初のユニコード技術委員会が、1995年12月。
このように見てくると、文字を主体とする情報通信の世界がまさに国際技術標準の策定を基盤としてグローバルな発展を始めたのが、ほぼ30年前といえるだろう。
そんなわけで、《文字情報技術の30年》といったシンポジウムみたいなものも、協議会として開催できればいいなあ。