FONT SPECIFICATION
FONT STANDARD and SPECIFICATION

フォント関連仕様調査部会について

主査 村田 真
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特任教授
Convenor of ISO/IEC JTC1/SC34/WG4
Co-Convenor of SC34 AHG4

箱庭での予定調和

オープンな環境が当たり前になる以前は、一つの会社が、文書コンテンツ、フォント、文書表示アプリの三つをコントロールできました。ユーザはコントールされた箱庭にいたわけです。 文書コンテンツは特定の文書表示アプリのために作られましたし、文書表示アプリには動作確認済みのフォントが組み込まれていました。それらが調和することは当たり前でした。ユーザは特定の会社に囲い込まれましたが、箱庭での予定調和を享受できました。

オープンな環境での混乱

今日の環境はオープンなものになっています。ユーザは特定の会社に囲い込まれるのではなく、オープンな環境においていろんな会社の文書コンテンツ、フォント、文書表示アプリを組み合わせます。どの文書コンテンツが、どの文書表示アプリと組み合わせられるか、どのフォントと組み合わせられるかは、その場になってみないと分からないのです。
小さな箱庭から飛び出すことに大きな利点があったのは間違いありません。しかし、オープンな環境が混乱をもたらしたことも事実です。

  • 文書コンテンツ作成者は、文書表示アプリごとに、フォントごとに動作が違うので困っています。例えば、縦書きのときの文字横転がそうです。
  • フォント作成者は、どの文書表示アプリがフォントをどう利用するのかよく分からないし、文書コンテンツ作成者がどう困っているのかも分かりません。
  • 文書表示アプリ開発者は、どんなフォントでも動くように作るのがとても大変ですし、場合によっては不可能です。

フォント関連仕様の果たす役割

オープンな環境でさまざまの文書コンテンツ、文書表示アプリ、フォントが調和して動くようにするには、結局のところ仕様をよりどころとするしかありません。仕様がちゃんと決まっていて、広範囲に正しく理解され、それに従った文書表示アプリとフォントが作られれば、オープンな環境でも調和は可能なはずです。仕様がちゃんと決まっていない、人によって理解が違うという事態になれば必ず混乱が起きます。

本部会の活動内容

本部会では、仕様書をやみくもに調査するということはしません。混沌が起こっていることを確認したうえで、それに必要な調査だけを行います。仕様書として認められているもの以外も、広く影響を与えているものも調査対象とします。
2020年は、縦書きEPUB文書での文字横転にまず着手します。

  • 縦書きEPUB書籍の文字が、フォントの違いによって、横転したりしなかったりすることを確認します。
  • CSS Writing Modes仕様書、Unicode仕様書、OpenType仕様書の関連部分を調査します。
  • Adobe-Japan1フォントについてのデータ(GitHubに公開されているもの)を調査します。
  • 有力なフォントが縦書きにどう対応しているかを調査します。
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