よくある質問
文字情報基盤は、誰でも無料で利用することができます。文字情報基盤整備事業で整備したフォントである、IPAmj明朝フォントは、こちらよりダウンロードし、インストールしてご利用いただくことが可能です。利用にあたってはIPAフォントライセンスv1.0にご同意いただく必要があります。
ライセンスの概要についてはライセンスのFAQをご参照ください。また、文字情報基盤整備事業で整備した文字についての情報や画像イメージは、MJ文字情報一覧表として提供されています。MJ文字情報一覧表はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 2.1 日本 ライセンス条件のもとで、提供しています。
外字(がいじ)とは、コンピューター用に標準的に提供されている文字セットに含まれておらず、ユーザーがオーダーメード等により個別に追加した文字のことです。文字コードの国際規格(ISO/IEC 10646)では、外字に用いることのできるコードの範囲が決められています。また、外字は、「相互に合意のとれた」組織間でのみで用い、その外へは持ち出さないこととされています。相互に合意した組織以外では、同じコードを別の文字に用いることもありますから、そのような組織間で外字を用いた文書を交換すると、いわゆる「文字化け」が起きることになります。
独自の外字を作ると、その外字を組織内で共有するための手間がかかるなど、運用にも費用が掛かることになります。また、外部との情報連携ができない(Q3参照)など、運用に支障が生じます。外字に係る権利や契約の関係で、作成した外字を他のシステムに移植できない、また、他組織の作成した外字と混ぜることができない、といった問題が起きることもあります。このため、組織の合併に伴って、合併前の組織が持っていた外字を全て捨て、新たに作り直さなくてはならなかったというような事例も多く生じています。新たな外字を作らずに、文字情報基盤に対応した文字を活用することで、こういった課題を回避することができます。
業務の目的によって文字の使用範囲を決める必要があります。氏名など、個人のアイデンティティに関わる文字を厳密に指定すべき用途から、意味を伝えることが重要であって、字形の厳密さにはこだわらない用途まで、さまざまな用途があります。日常的な業務が不必要に煩雑にならないよう、用途に応じて使用する文字の範囲を適切に選択する必要があります。文字情報基盤整備事業の取り組みは、「使えない文字を少なくする」ための取り組みです。このことは、「全ての文字を常に使い分けるべきである」ということは意味しません。純粋な情報交換に用いる文字、例えば新聞記事、Webサイト掲載情報、一般向けの公文書等では、常用漢字、JIS X 0208、JIS X 0213等に収録された文字の範囲を意識した文字を適宜選択して利用することが期待されます。このような用途では、相手に意味を伝えることが重要であり、微妙な異体字等を使い分ける必要は必ずしも無いからです。逆に、氏名の表記等、個人のアイデンティティに関わる文字においては、意味や読みが同じだからといって、複数の類似な文字を一つの文字に集約してしまうことが必ずしも適当ではない場合もあります。いたずらに多様な文字を使うことは避け、どの範囲の文字を用いるのがその文書にとって適当なのかについて、十分検討したうえで使用する文字の範囲を決めることが望まれます。また、この運用ポリシーは関連組織間等でと同一にしておくことが望まれます。文字情報基盤整備事業で整備した文字とJIS X 0213(約1万字)との対応情報を示し、文字情報の置き換えの際に参照することができるMJ縮退マップを提供しています。これにより、用途に応じて、文字の利用範囲を調整することが容易になります。
業務に応じて使用する文字の範囲を適切に決めることが重要です(Q5参照)。
現在、JISの範囲で業務を運用している等、業務において問題なければ、文字情報基盤の6万字に拡張する必要はありません。JISの範囲で運用をしていても、文字情報基盤の範囲内ですので問題ありません。
文字情報基盤は、現在、行政の実務で人名等の正確な表記のために実際に必要とされているにもかわらず、標準化されていないために、「外字」という形で使用されている文字を再整理し、国際標準に基づいて使用できる様にすることを目的としています。文字を増やすことは目的としていません。
現在普及している多くの市販PCは、第1水準~第4水準(JIS X 0213)で規定された約1万文字の文字を扱うことを基本とした設計となっています。これを超え、6万文字を扱うためには、新しい規格(IVS)に対応した機能が必要となります。2018年現在、この機能に対応したオペレーティングシステム(OS)やソフトウエアが主流となりつつあります。しかし、どの範囲までの文字を扱えるかについては、PCに搭載されたOSや、その上で動くアプリケーションソフトによって異なるため、確認が必要です。PCがそのシステム上処理できる文字であっても、その文字に対応する辞書が無ければ、かな漢字変換といった方法で当該文字を入力することはできません。これについてはQ13をご参照ください。IPAmj明朝フォントの符号化範囲の詳細についてはIPAmj明朝の符号範囲の詳細説明をご覧ください。
変体仮名の国際標準化について検討を重ね、2015年10月にMJ文字情報一覧表 変体仮名編Ver.001.01を公開しました。2018年1月現在、IPAmj明朝フォントVer.005.01に含まれているフォントは、MJ文字情報一覧表 変体仮名編Ver.001.01の変体仮名を含んでおり、利用することが可能です。
PCの環境により、扱える文字の範囲が異なります。その点はQ9をご参照ください。また、仮にPCのOSやアプリケーションソフトがその文字を扱える場合でも、かな漢字変換のための辞書が無ければ、かな漢字変換により文字を入力することはできません。現状では通常のPC向けのかな漢字変換ソフトで扱えるのは、JIS第1水準、第2水準(JIS X 0208)の約7,000文字の範囲以内であることが一般的です。このように、かな漢字変換辞書に無い文字を入力するためには、文字コード(UCS符号)を直接入力する、といった方法が必要となります。文字コード(UCS符号)は、例えばIPAの提供するMJ文字情報一覧表あるいは文字情報基盤検索システムなどで検索することができます。見つけた文字をワープロ等で使用する方法の詳細については、Q14をご参照ください。
MJ文字情報一覧表あるいは文字情報基盤検索システムで見つけた文字をワープロ等へ入力するためには、主に以下の4つの方法があります。
- 【文字をコピー&ペーストして使用】この方法は、ご利用のブラウザおよびワープロ等がIVSに対応しており、IPAmj明朝フォントをダウンロードし、お使いのPCへインストールすることが前提となります。文字情報基盤検索システムで目的の文字を検索し、文字情報の「詳細」の画面を表示させます。この画面のなかで、「コピーフィールド」と書かれた欄に表示された文字を選択・コピーし、これをワープロへペーストすることにより、当該文字の(IVSを含む)文字コードを入力することができます。
- 【文字図形をコピー&ペーストして使用】お使いのワープロなどがIVSに対応していない場合は、文字を図形として張り付けて使うことも可能です。多くのワープロ、表計算、プレゼンテーションなどのソフトウェアでは、文章の途中に「図形」を貼りこむことができます。この場合、MJ文字情報一覧表あるいは文字情報基盤検索システムで文字図形が表示された部分からその図形をコピーすることができます。
文字を「図形」として貼りこんだ文書ファイル等を他へ送信した場合、送信先でも同じ図形が再現されることを期待できます。その文字に対応するMJ文字図形名をコメントの形などで添付/送信しておけば、相手先は、当該文字がどういう文字であるかを容易に知ることができ、後の処理等を効率的に行えることが期待できます。 - 【UCS符号による入力】
この方法は、IPAmj明朝フォントをダウンロードし、お使いのPCへインストールすることが前提となります。お使いのPCの環境で使える文字の範囲についてはQ9をご参照ください。 MJ文字情報一覧表の「実装したUCS」の欄にコード値が記載されているものは、UCS符号が実装されており、UCS符号によって文字を指定することのできる文字となります。同一覧表の「対応するUCS」の欄に記載された16進数の数値が文字コード(UCS符号)となります。このコードを用いることで当該文字をワープロ等へ入力することができます。文字コード(UCS符号)を直接入力するする方法については、お使いのPCのOSやアプリケーション等のマニュアルをご参照ください。検索エンジンを用い、「文字コードを直接入力する」等のキーワードで検索することによってもいくつかの方法を参照することができます。
なお、当該のUCS符号の値が、お使いのPCにおいて扱える範囲を超えている場合には、この方法では入力できません。この場合は、上記【文字図形をコピー&ペーストして使用】をご参照ください。IVSを扱える環境においては、IVSを指定することによりさらに詳細に字形を指定することができます。MJ文字情報一覧表の「実装したIVS」の欄にコード値があるものは、記載されたコードがIVSコードとなります。IVSによる文字入力方法については、お使いのPCのOSやアプリケーションソフト等のマニュアルをご参照ください。
IPAmj明朝フォントでは、すべての文字に「MJ」+「6桁の数字」で構成される、MJ文字図形名という一意の名称を付け、識別しています。文字情報基盤検索システムを用い、「コードから探す」のタブをクリックし、「MJ文字図形名」の欄に’MJ’に続き6桁の数字を入力することで、MJ文字図形名からその文字の情報を検索することができます。検索された文字の使用法についてはQ14をご参照下さい
IPAmj明朝フォントには、類似する文字を多数揃えているため、一つの文字コード(UCS符号)に複数の字形に対応する場合があります。文字コード(UCS符号)のみでは、いずれか一つの字形しか呼び出すことができません。IPAmj明朝フォントは、JIS X 0213:2004の例示字体もすべて含んでいますが、人名の表記等の業務での活用を想定しているため、UCS符号のみを指定して表示した場合の表示(デフォルトグリフ)がJIS X 0213:2004の例示字体ではなく、「常用漢字表に掲載されている字体」や「人名用漢字別表(戸籍法施行規則別表第二 漢字の表)に掲載されている字体」となるものがあります。厳密に字形を指定して、JIS X 0213:2004の例示字体を入力・表示するためには、IVSを利用する必要があります。
ゴシック体の制作及び提供の予定はありません。文字情報基盤は、人名漢字等についての字形や文字情報を整備し、国際標準化を行うことを目的とした事業であるため、明朝体の字形のみ制作しています。
他のIPAフォントシリーズと同様に、明朝体とゴシック体の2書体を提供するものではありません。